ぽんこつ地獄変

ジュマンジやグリードアイランドを超えるクソゲーとの闘争

Abema prime 反出生主義特集 雑想②

 前回の記事を読み直して、抽象的な内容に失しすぎたという反省がありましたので、出演者の方のコメントに勝手にコメントするという卑怯千万、失礼千万な記事を自分の考えをまとめるという意味でも残しておこうと思います。

 

 まず、この考え-反出生主義-は結構膾炙してきていると前に語りましたが、改めてざっくりAbemaを見返してみると、反出生主義を一定分理解しようとする出演者ばかりではなく、やはり反出生主義が彼らの“常識”にそぐわないからか、強めに普段あらわにしないほどに感情的な反応を取っている出演者もいたように思えました。特に、りんたろーさん、柴田アナ、パックンさんは終始反出生主義へ反論することばかり念頭に置いていてディスカッションに参加しているという感じではないように感じました。一般社会でも反出生主義を公言しようものならこういう反応になることはままだ残念ながら必至でしょう。私自身、親しい何人かにそれとなく反出生主義をほのめかしてみましたが『本当にいい考えだと思う。その通りだ』と返答してくれたのはこれまで1人か2人でした。

 

 人間は幼稚で醜い、けどそれを当たり前だと受け入れて、自分がそういった意見、反出生主義を唱えられることにも感謝して生きるべき。自動車やタバコはリスクもよく取りざたされるが(自分にとっては特に)幸福をもたらすものだし、その幸福を否定することの意味はよくわからない。

 

 りんたろーさんはこういう風に仰っていましたが、反出生主義は自動車やタバコを進んで自分から選択することではなく、自動車に勝手に人を乗せて運転させたりタバコを強引に人に吸わせたりことを忌避しますから、やっぱり大前提からして反出生主義自体にかなり拒否感を抱いていたのかなと思ってしまいます。極言してしまえば、人生というクソゲー神ゲーと認識するように自身を作り変えていける方なのでしょうが、反出生主義者でもそういったアプローチをとって苦痛を和らげようとする方はいらっしゃるので、そういったタイプの方とりんたろーさんが歓談されたらどういう結果になるのか気になりました。

 

 「コンプライアンス上何を言っても良いのだろうが、子どもを産みたい人に反出生主義を押し付けるのは違う」と柴田アナは何度も語っていましたが、これも反論としてはだいぶズレていたかなという気がしてなりません。反出生主義者は、この番組でも森岡教授が発言していた通り、出生を思いとどまらせることに関してはほとんどの場合説得ベースですし、兼近さんがやんわり示した通り、「では出生を押し付けることはどうなのか」という疑問にはなんの回答にもなっていません。番組を通しても、このポイントはグレーなままで終わってしまい、一反出生主義者として忸怩たる思いが残ってしまいました。次回があるならこの辺をもっと突っ込んでもらいたいです。

 

 ついでにライターの秋山さんの「反出生主義が高齢出産を考えている当事者を思いとどまらせたり傷つけたりしまう」という発言に関しても、少し強引ではありますが、良き親を目指すなら、出生という押し付けを選ぶ前に悩むことはそれこそ当然課されるべきことだし、反出生主義が与える苦痛をマイナス要素として勘案するなら生まれさせられる子が確実に味わう苦痛に関しても同様に評価しなければならないハズでは、と思いました。また、子供を持たなくてはならないという社会からの無言の圧力もスルー出来ないことにも言及がなされるべきでしょう。

 

 パックンさんに関しても、反出生主義を予習してきたハズが、らしくないパワープレイ-多くの子供は幸せに育っていくだろうから不幸な一部の人がその実感を他者に押し付けるのはよくない-といった発言が目立ち、番組の中盤で非対称性理論が解説されたのは何だったんだろうと首をかしげざるを得ませんでした。

 

 しかしながら、Abema Prime自体は中核派のこと人間関係リセット症候群とか尖ったことを扱っていて面白いし、そうなるとやはり反出生主義についても第二弾以降の特集が欲しいところです。最近の親ガチャ回についてもそのうち感想をまとめてみようと思います。

 

 

 

参考

https://www.youtube.com/watch?v=vla0eoMQ4GY

https://abema.tv/video/episode/89-66_s99_p2866